こんにちは。看護師のトトです。
腎臓の検査値(クレアチニン、eGFR、尿タンパクなど)は、生活習慣の影響を強く受けます。
しかし実際は、“腎臓を守るために”と生活をガラッと変えようとすると、かえってストレスが溜まり、続かない方が多いです。
ということで今回は、「無理なく」「ストレスを少なく」「続けられる」をキーワードに、
毎日の食生活・生活習慣のコツをご紹介します。
腎機能障害と診断されたら
塩分制限は“まず1つ置き換える”から始める
腎臓を守る基本は塩分を減らすことですが、急に薄味にすると食事がつまらなく感じるものです。
✅️続けやすい工夫
・醤油➜“減塩醤油”に変える
・味噌➜“出汁を濃く”して味噌の量を減らす
・コンビニの惣菜➜“汁を残す”だけで塩分が大幅に減る
・ラーメン、うどん、そば➜汁を飲み干さない
「今日から全部の食事を薄味にしなきゃ」という完璧主義ではなく、まず一つだけ変えるだけで腎臓の負担は確実に軽くなります。
タンパク質は“控える”より“質を良くする”
腎機能が低いと「タンパク質制限」が話題になりますが、無理に減らすと疲れやすくなることもあります。特に高齢者では筋力低下(サルコペニア)のリスクも上がります。
✅️無理のないやり方
・肉は脂身の少ない部位を選ぶ
・加工肉(ハム・チーズ)は控える
・魚や大豆を組み合わせる
・“量より質”を意識する(1食につき手のひら分の食材量が目安)
注)主治医から「タンパク質の制限」が出ている方は、その指示が最優先です!
カリウム制限がある人は食材の切り方と下処理で調整
カリウム制限が必要な方でも、むやみに野菜を減らすと便秘や疲労感につながります。
✅️カリウムを減らす方法
・野菜は「小さく切って茹でこぼす」でカリウムが減る
・果物は1日1回、可食部を120g程度(手のひら分)にする
・野菜ジュースや青汁は控える(濃縮したものは避ける)
食べるのが禁止ではなく、「調理で調整する」ことが大切です。
飲水は喉が渇き過ぎない程度に
飲水に関しては、多くの人が「たくさん飲んだ方が腎臓に良いのか?」と悩みますが、
腎機能障害では飲み過ぎも負担になることがあります。
✅️目安
・尿量や浮腫みが正常なら、1日1.5〜2.0リットルが一般的
・心不全、浮腫みが強い場合は医師の指示に従う
喉が渇く前に少しずつ飲む、がポイントです。
生活習慣は「歩く時間を少し増やす」だけでもOK
激しい運動を始める必要はありません。
✅️気楽にできる習慣
・1日10分だけ歩く時間を増やす
・エレベーターはなるべく使用せず、1フロアだけも階段を使う
・長時間座りっぱなしを避ける
腎臓は血流がとっても大切です。「ちょっと動く」の習慣が血圧の安定にもつながります。
薬は自己判断で止めないことが最大の腎臓ケア
腎機能障害の方は、
・血圧の薬
・糖尿病の薬
・抗炎症薬(痛み止め)
などの影響を受けやすいです。
✅️特に注意
・市販の痛み止め(ロキソニン系)は腎臓に負担
・サプリも過剰摂取は❌️
・むくみや体重増加があれば早めに相談
医師の指示通りに「薬を正しく飲む」が、最も効果が大きい自己管理になります。
ストレスを貯めず生活の楽しみを減らさない
食事制限が始めると、どうしても楽しみが減りがちです。
✅️負担を減らす考え方
・外食するときは“汁物だけ控える”など、1つだけ意識する
・好きなものは“少量をゆっくり味わう”
・無理に全部制限しない
・睡眠を整えるだけでも腎臓の保護になる
“できる範囲でやる”ことが、長く腎臓を守る一番のコツです。
まとめ
腎機能障害と診断されても、ストイックな制限は必要ありません。
大切なのは、「少しずつ変える」「継続できる工夫をする」ことです。
腎臓は、“小さな心がけを毎日続ける”ことで守ることができます。
無理のないセルフケアで、今日からできることをやってみましょう。
明日も元気に過ごせますように。
ご精読ありがとうございました。


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