こんにちは。看護師のトトです。
40代以降、健康診断で『クレアチニン』『eGFR』が気になり始める人が増えます。
しかし、検査結果を見ても意味がわからない方が多いのではないでしょうか。
ということで今回は、腎機能検査の見方と、腎機能が低下する原因についてご紹介します。
腎機能検査の見方と悪くする原因
腎臓の検査でよく見る項目と意味
◆eGFR(推算糸球体濾過量)
Q. 何を見ている?
腎臓がどれくらい血液をろ過できているかを示す指標。
腎臓の“働きそのもの”を評価するための最も重要な数値。
Q. 数値の意味は?
・90以上➜正常範囲
・60〜89➜正常〜軽度低下の範囲
・45〜59➜軽度〜中等度低下
・30〜44➜中等度〜高度低下
・15〜29➜高度低下(腎不全)
・15未満➜末期腎不全・透析検討レベル
Q. 検査の特徴は?
・クレアチニンより信頼性が高い
・年齢、性別によって基準が変わる
・数値は徐々に低下するので“経過”をみることが大切
✅️同じクレアチニン値でも、体格の差でeGFRは変わるので、“自分の体格に合った評価”ができる
◆クレアチニン
Q. 何を見ている?
筋肉代謝で生じた老廃物。
腎臓で排出されるため、『高い』=腎臓が排出しきれない状態。
Q. 数値の意味は?
・男性、筋肉質など➜高めになりやすい
・高齢、女性など➜低く見えやすい
✅️同じ数値でも人によって注意レベルが変わるのがポイント
◆BUN(尿素窒素)
Q. 何を見ている?
体内でタンパク質が分解されてできる窒素化合物。
腎臓で排出されるため、腎機能低下で上昇する。
Q. 検査の意味は?
BUNは腎臓以外の影響も受けやすいという点が重要。
上がりやすいケースは、
・高タンパク食
・脱水
・発熱
・ステロイド使用
・消化管出血
✅️『BUN↑=腎臓が悪い』とは限らないので、クレアチニンやeGFRと合わせて評価するのが鉄則
◆尿タンパク
Q. 何を見ている?
腎臓の糸球体が痛むと、尿内に漏れ出してくるタンパクの量。
Q. 数値の意味は?
・➕️(陽性)が続く場合は要注意
・ストレス、運動、発熱で一時的に出ることもある
✅️長期・連続に陽性であれば受診・フォローが必要
◆尿潜血
Q. 何を見ている?
腎臓、尿管、膀胱、尿道での出血。
Q. 原因は?
・尿路結石
・腎炎
・運動
・一時的な炎症
✅️+(陽性)の程度より、“続いているかどうか”の方が重要
腎機能が低下する原因
●血管のダメージによるもの
腎臓は大量の血液をろ過する臓器です。
そのため、血管トラブルは直接腎臓に大きな影響を与えます。
【高血圧】
・糸球体に強い圧力がかかる
・血管壁に負担がかかり損傷
➜結果、ろ過機能が低下する
✅️高血圧は腎臓を“じわじわ傷つける”のが特徴で、症状が出にくいために発見が遅れがち
【動脈硬化】
・血流が低下
・酸素、栄養が届きにくい
➜結果、腎臓の細胞がダメージを受ける
✅️特に高齢者や生活習慣病の方がなりやすい
●糖代謝・生活習慣病が原因
最も多いのが、『糖尿病性腎症』です。
【糖尿病】
・高血糖が血管を傷つける
・糸球体の機能低下
➜結果、尿タンパクが出るようになり腎機能が低下する
✅️糖尿病患者の腎臓障害は合併症の1つ
【メタボリックシンドローム・肥満】
・高血圧
・インスリン抵抗性
・高脂血症
➜結果、これらが複合的に腎臓にダメージを与える
●腎臓そのものの病気(一次性)
腎臓自体に炎症が障害が起きる場合
【糸球体腎炎(急性・慢性)】
・風邪、感染をきっかけに発症
・免疫機能の異常反応
➜症状例:浮腫み、血尿、タンパク尿、高血圧
【腎盂腎炎】
・細菌感染
・特に女性に多い
➜軽症でも繰り返すと腎障害へ
●生活習慣による負担
日常生活での蓄積ダメージは非常に大きいです。
【塩分過多】
・高血圧の誘発
・糸球体の負担
➜主に、外食や加工食品。インスタント食品が原因
【水分不足・脱水】
・血液濃縮
・腎臓の血流が低下
➜特に、運動時や夏場、高齢者で注意が必要
【過度なタンパク質摂取】
・老廃物が増える
・排泄の負担が増大する
➜筋トレブームによるプロテイン過剰摂取は要注意
【喫煙】
・血管収縮
・動脈硬化の促進
●薬物・毒素
腎臓は『解毒』を担うため、薬剤負担が大きい臓器です。
【NSAIDs(痛み止め)】
・例)ロキソニン、イブプロフェン
➜慢性的な使用は血流が低下し腎障害になる可能性がある
✅️医師の指示で使用するのは基本的に問題ないが市販薬の乱用は要注意
【その他】
・抗生物質の一部
・抗癌剤
・造影剤(CT検査時に使用)
●加齢
腎機能は年齢とともにゆっくり低下します。
・eGFRは加齢で低下する
・60代〜は顕著な下がりがある
・『低下=病気』ではない場合もある
➜ただし、高血圧症や糖尿病と重なるとリスク増大することもある
●急性ダメージ
突然の腎機能低下もある。
・脱水、熱中症
・大量出血
・ショック
・重度感染症(敗血症)
など
➜これを急性腎障害(AKI)と呼ぶ
まとめ
腎機能低下の原因が複合的なことが多いです。
主に生活習慣×血管ダメージ×基礎疾患の場合です。
・塩分過多➜高血圧➜血管ダメージ➜腎機能低下
・糖尿病➜血管障害➜糸球体障害➜腎不全
などです。
つまり、日常生活習慣を見直せば、腎臓へのダメージの連鎖は止めることが可能です。
明日も元気に過ごせますように。


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