こんにちは。内科クリニックで働く看護師のトトです。
みなさんは、腎臓が体のどこにあるか知っていますか?
腎臓は、私たちに体の中で非常に重要な役割を果たす臓器の一つです。
ということで、今回は!
健康を守るための腎臓に関する知識をつけていきましょう。

腎臓について
腎臓はどこにあるの?
腎臓は、ヘソよりやや上の方で背中側に左右1個ずつある臓器で、そら豆のような形をしています。
大きさは、大人の手の握りこぶし程で、重さは1個100〜150g程度です。
(ちなみに、肝臓は1500gくらいあります)
腎臓は何をしてるの?
腎臓は次の働きにより、体内の環境を安定させる『見張り番』の役割を果たしています。
1.老廃物の排泄
腎臓に流れる血液は1分間に約1リットルです。血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として排出し、血液をきれいに保ちます。
2.水分と電解質の調整
体内の水分量やナトリウム、カリウムなどの電解質バランスを整え、体液の濃度を一定に保ちます。
3.pH(ペーハー)の調節
酸性物質を排出して体内のpHバランスを弱アルカリ性に保ちます。
4.ホルモンの生成
・赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)を分泌し、貧血を防ぎます。
・血圧を調整するホルモン(レニン)を分泌します。
・ビタミンDを活性化し、カルシウム吸収を促進して骨を丈夫にします。
5.血圧の調節
血液量や塩分濃度の管理を通じて血圧を適正に保ちます。
腎臓が悪くなると起こる症状とは?
腎臓の働きが悪くなってくると、次のような症状が出てきます。
◆尿の異常
尿量の減少、頻尿、血尿、褐色の尿など
◆むくみ
体内の水分が排出されず、まぶたや足などに浮腫みが現れます
◆貧血
赤血球をつくるホルモン不足により、倦怠感や息切れが生じます
◆高血圧
腎臓の機能低下で血圧調節ができなくなります
◆吐き気・食欲不振
老廃物が体内に溜まり、胃腸に影響を及ぼします
◆疲労感・息切れ
心臓への負担増加や酸素供給不足から生じます
◆皮膚症状
かゆみや色素沈着がみられます
早期発見・早期治療
腎臓は、一度悪くなると自然に治ることはありません。
進行する前に発見すること、早期に治療を開始することが非常に重要です。
特に、尿にタンパク質が出ている方は要注意です。
健康診断や簡易的な尿検査では、『定性』の検査だけのこと多いです。
検査結果で尿タンパクが「+」(プラス)以上であれば、医療機関を受診しましょう。
受診する場合、女性なら生理中や生理終わり直後は避けましょう。
また、夜勤明けや水分不足の状態で検査するのも避けましょう。
普段通りの食事で、激しい運動は控え、水分(水・麦茶)を十分に摂った状態で検査しましょう。
代表的な腎臓病とは?
◆急性糸球体腎炎(急性腎炎)
扁桃炎や咽頭炎などの感染症にかかった1〜2週間ほどしてから発症。症状は肉眼的血尿、むくみなどです。治療は1〜2ヶ月の入院および自宅での安静で、治療後の数ヶ月間は経過観察が必要です。
◆慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)
糸球体に炎症が長期間持続することで、血尿や蛋白尿がみられる。進行すると腎機能が低下し、慢性腎不全に至ることもあります。
◆IgA腎症
慢性糸球体腎炎の一種で、腎臓の糸球体にIgAという免疫グロブリンが沈着し炎症を引き起こす病気です。扁桃炎や感染症が誘因となり異常なIgAが産生されることが関与しています。
◆ネフローゼ症候群
尿中に大量のタンパクが漏れ出ることで低蛋白血症を引き起こし、浮腫みや高コレステロール血症などを伴う病態です。腎臓の糸球体に障害が生じることで発症します。
まとめ
腎臓を守ることは健康を守ることに直結します。日々の生活習慣に気を配り健康診断を定期的に受けることで、腎臓の健康を守り腎臓病を予防することができます。腎臓が元気であれば全身の健康も守られ、より快適な生活を送ることができます。
明日も元気に生きられますように。
ご精読、ありがとうございました。

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