こんにちは。看護師のトトです。
秋から冬にかけて、「最近、血圧が少し高くなってきた」と感じる方はいませんか?
それは気のせいではなく、季節による身体の自然な反応です。
特に高血圧の方によっては、寒暖差が血圧コントロールを難しくする時期です。
放っておくと、冬の心筋梗塞や脳卒中のリスクにもつながります。
ということで今回は、秋冬の血圧変化の理由と、日常でできる対策をわかりやすくご紹介します。
気温が下がってきたら血圧が上がってきた方へ
なぜ寒くなると血圧が上がるの?
気温が下がると、身体は体温を逃さないように血管を収縮させます。
この「血管の縮み」が血流の抵抗を強くし、血圧上昇につながります。
また、次のような秋冬の生活習慣も、血圧を押し上げる原因になります。
・寒くて外出や運動が減る
・鍋や汁物など、塩分の多い食事が増える
・年末年始のストレスや飲酒の増加
このように、身体的にも生活的にも血圧が上がりやすい条件が重なる季節です。
日常生活で気をつけたいこと
1️⃣急な温度差(ヒートテック)に注意
暖かい部屋から寒い脱衣所やトイレに行くと、血管が急に収縮して血圧が大きく変動します。
これは、脳出血や心筋梗塞を引き起こす大きな原因のひとつです。
✅️対策
・入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
・熱いお湯(42℃以上)は避け、40℃前後でゆっくり浸かる
・入浴中の急な立ち上がりも控えましょう
2️⃣血圧測定は「毎日・同じ条件で」
秋冬は日ごとの変動が大きく、測定データの積み重ねが大切です。
🌅朝:起床1時間以内、朝食、服薬前、トイレを済ませて座った状態で
🌃夜:就寝前、リラックスした状態で
👍️記録した血圧値を医師にみてもらうことで、薬の調整や生活指導がより的確になります。
食生活の見直しポイント
1️⃣塩分の“隠れ摂取”に注意
味噌汁・漬け物・加工食品・鍋つゆなど、塩分は思ったより多く含まれています。
・出汁をしっかり取り、旨味で減塩
・味噌汁は具沢山、汁少なめ
・鍋の“つけダレ”は控えめに
✅️1日の塩分目安は6g未満です。(※高血圧の方の場合)
2️⃣カリウム・マグネシウムを意識して
これらのミネラルは、体内の塩分バランスを整え、血圧を下げる働きがあります。
🍴おすすめの食材
・カリウム:大根、かぶ、白菜、バナナ、ほうれん草
・マグネシウム:海藻類、ナッツ、玄米
✅️冬野菜や旬の果物をうまく取り入れると、自然にバランスを整います。
3️⃣アルコールと体重にも注意
寒い時期はつい飲酒量が増えがちです。
飲み過ぎは一時的に血圧を下げたように見えても、翌日以降はリバウンド的な上昇を招きます。
また、体重の増加も血圧を押し上げる原因になります。
✅️飲酒は1日1合まで、体重は週1回チェックを!
まとめ
高血圧は「自覚症状がないまま進行する」ことが多い病気です。
だからこそ、季節の変化に合わせたセルフケアが大切です。
寒さに備えて身体も血管も“冬モード”に整えていきましょう。
・血圧計は「健康管理のパートナー」
・測定することで自分の体調の“傾向”がわかる
・食事、運動、睡眠を少しずつ見直す
自己管理が薬よりも大きな力になることもあります。
ご精読ありがとうございました。

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