こんにちは。内科クリニックで働く看護師のトトです。
「最近、なんとなく体がだるい」「体調を崩しやすくなった」「肌荒れは気になる」・・・
そんな症状にお悩みではありませんか?
もしかしたら、“亜鉛不足”が原因かもしれません。
ということで、今回は!
私たちに体にとって欠かせない必須ミネラルのひとつ、
免疫機能や味覚、肌や髪の健康、ホルモンバランスに関わりが深い“亜鉛”についてご紹介します。

亜鉛の基礎知識
亜鉛ってどんな栄養素?
私たちの体には、健康を保つために必要不可欠な【必須ミネラル】が16種類あります。亜鉛もその一つです。量としてはごくわずかしか存在しない“微量ミネラル”ですが、その影響力はとても大きです。
1日の摂取量の目安は?
成人の1日の亜鉛推奨量:健康を維持するための一日の摂取量の目安
◆成人男性(18〜64歳):11mg/日
◆成人女性(18〜64歳):8mg/日
◆妊婦(中期以降):9〜10mg/日
◆授乳婦:11mg/日
ちなみに!
多く摂ればいい。は、間違いです。過剰に摂取すると鉄や銅の吸収が低下することがあります。
亜鉛不足チェック
以下の項目で、当てはまるものはいくつありますか?
□ 最近、風邪をひきやすい
□ 肌荒れやニキビがなかなか治らない
□ 髪が細くなったり、抜け毛が気になる
□ 味やニオイを感じにくくなった
□ 疲れがなかなか取れない
□ ストレスを感じやすい
□ 食生活が偏っている(外食や加工食品が多い)
3つ以上当てはまる方は、亜鉛不足かもしれません。
※気になる症状が続く場合は、医療機関に相談してみてください。
なぜ不足するの?
亜鉛は体内で作り出せないため、食事から摂るしかありません。
ところが、現代の食生活ではせっかく摂った“亜鉛”が吸収されにくくなっています。
それは、
・加工食品の摂り過ぎ(亜鉛の吸収を妨げる添加物が多い)
・アルコールを飲みすぎる(亜鉛が排出されてしまう)
・ストレスや疲労(ミネラルの消費が増えてしまう)
という理由があります。
亜鉛と健康の関係
免疫力と亜鉛の関係
亜鉛は、体内で以下のような免疫システムに関わっています
1.免疫細胞の材料になる
白血球の働きをサポートし、ウイルスや細菌への攻撃力を高めてくれます。
亜鉛が不足すると、白血球の数や働きが低下し、ウイルスに対して無防備な状態になります。
2.粘膜の健康を守る
鼻や喉、腸などの粘膜は体のバリア機能です。亜鉛が不足すると、このバリア機能は弱まり、感染症にかかりやすくなります。
3.炎症を抑える働き
亜鉛には、体内の過剰な炎症を抑える働きもあり、アレルギーや自己免疫トラブルを予防する助けにもなっています。
美肌・美髪と亜鉛の関係
亜鉛は、肌や髪の“再生”や“成長”にも関わっています。
1.肌のターンオーバー(新陳代謝)を促進
亜鉛は細胞分裂をサポートする栄養素です。亜鉛が不足すると、古い角質が残りやすく、ニキビ・くすみ・ゴワつきの原因になることがあります。
2.炎症を抑える効果
亜鉛には抗酸化作用や抗炎症作用もあるため、ニキビ・肌荒れの予防に効果が期待できます。
3.傷の治りを早めてくれる
肌トラブルの修復にも亜鉛が関与しています。口内炎や吹き出物が治りにくい人は、亜鉛不足のサインかもしれません。
4.髪の主成分“ケラチン”の合成に必須
ケラチンというたんぱく質をつくる過程に、亜鉛が必要不可欠です。不足すると、髪が細くなる・ハリ・コシがなくなる・抜け毛が増えるなどのトラブルになることも。
5.頭皮の環境を整える
頭皮の炎症や皮脂のバランスが整い、健康な髪が育ちやすくなります。
男性機能・精力アップ
亜鉛は、男性機能にも関わりがあります。
1.テストステロンの合成に不可欠
テストステロンは、筋肉や性欲、やる気などを左右する“男性らしさ”の源です。亜鉛は、このホルモン合成に関わっており、不足すると分泌量が低下すると言われています。
2.精子の質と量を高める
精子には亜鉛が多く含まれていて、精子の運動量・数・DNAの安定性に関わります。妊活中のカップルにも注目される栄養素です。
3.前立腺の健康を守る
前立腺にも亜鉛が多く存在し、炎症や肥大の予防に関与しています。
亜鉛が豊富な食材
亜鉛たっぷり食材ベスト
亜鉛が豊富に含まれている食品は以下のようなものがあります。
◆動物性:吸収率が高く、特におすすめ
・牡蠣
・牛肉
・豚レバー
・鶏レバー
・卵黄
・チーズ
◆植物性:吸収率はやや低いが、日常的に取り入れやすい
・かぼちゃの種
・胡麻
・アーモンド
・カシューナッツ
・大豆製品(納豆、豆腐など)
・全粒穀物(玄米、オートミール、全粒パン)
亜鉛は、動物性食品の方が体への吸収率は高いですが、植物性食品も組み合わせてバランスよく摂るのがおすすめです。
どんな成分と摂るのがおすすめ?
1.動物性たんぱく質と一緒に摂る
肉や魚に含まれる動物性たんぱく質は、亜鉛の吸収を助けてくれます。
例)
・赤牛肉ステーキ+サラダ+玄米
・焼鯖+納豆ご飯
・牡蠣フライ+豆腐入りの味噌汁
2.ビタミンC・クエン酸と一緒に摂る
レモンや酢、野菜、果物を添えると相乗効果が期待できます。
例)
・レモンをかけた牡蠣料理
・酢の物(きゅうり+タコ)
・サラダに柑橘系のドレッシング
まとめ
亜鉛は私たちの健康を支える重要なミネラルで、免疫力や肌・髪の健康、味覚の維持など、さまざまな働きを担っています。特に牡蠣や赤身肉、ナッツ類に多く含まれ、毎日の食事の中で意識して取り入れることが大切です。吸収率を高めるための食べ合わせや、加工食品・アルコールの摂り過ぎなどに注意することもポイントです。亜鉛不足を防ぐために、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
明日も元気に生きられますように。
ご精読ありがとうございました。




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