こんにちは。内科クリニックに勤務する看護師のトトです。
みなさんは“糖類”を一日どのくらい摂取していますか?
2015年、世界保健機関(WHO)は遊離糖類※の摂取に関するガイドラインを発表しました。このガイドラインでは、遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを強く推奨し、さらに5%未満(約25g/日)に減らすことで健康効果が増大するとしています。
※遊離糖類とは、食品や飲料に添加される単糖類や二糖類(上白糖・蜂蜜・シロップ・果汁など)に含まれるものを指します。(生鮮果実や野菜、乳中の天然の糖は対象外です。)
糖類の過剰摂取は肥満や虫歯の原因になることは知られています。
しかし、どのくらいの量が「過剰摂取」かは、ちょっとわかりにくいですよね。
そこで、WHOが発表したガイドラインで換算してみると、
1日のエネルギーが2000kcalだった場合、スティックシュガー約8本分(25g)になります。
◆コーラ200mlだと、糖質は22.8g
◆オレンジジュース濃縮果汁200mlだと、糖質は22.0g
糖尿病や減量中の方の糖質管理で「おいしい食事にする」には、大きな壁ではないでしょうか。
ということで、今回は!
「糖質」の代わりに「人工甘味料」を上手に活用して、食事を楽しみながら糖質をコントロールしていきましょう。

人工甘味料について
人工甘味料とは?
人工甘味料は、化学的に合成された甘味料で、主に食品や飲料に使用される「砂糖」の代替品です。
1.糖アルコール:天然の糖質を科学的に合成したもの。(キシリトールやソルビトールなど)
2.合成甘味料:天然ではない糖質を化学合成したもの。(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウムなど)
人工甘味料の安全性は?
人工甘味料の安全性は国際的な基準に基づいて評価されており、許容一日摂取量(ADI)※が設定されています。これにより、通常の摂取量であれば健康への影響はいとされています。
※ADI=40mg/kg体重/日
例)1日に摂る人工甘味料の許容量:体重60kg✕40mg=2400mg/日
発がん性の懸念があると分類されていますが、根拠は限定的のようです。
しかし、過剰摂取や長期的に使用するのは控えた方が良いでしょう。
人工甘味料が含まれる食品は?
人工甘味料が含まれる食品の例
◆菓子類
・ガム、キャンディ、グミ
・チョコレート、ビスケット、ゼリー、プリン
◆飲料
・清涼飲料水(炭酸飲料、ダイエットドリンクなど)
・コーヒー、紅茶飲料
◆加工食品
・ジャム、漬物、佃煮
・魚類練り物(かまぼこ、ちくわ、さつま揚げなど)
◆調味料
・ソース、たれ、めんつゆ
これらの商品には「カロリーゼロ」や「シュガーレス」、「糖質オフ」などが表示されている場合が多いです。
人工甘味料のメリット
人工甘味料には以下のようなメリットがあります。
◆低カロリー・ゼロカロリー
人工甘味料は砂糖よりも甘味が強いため、少量でも十分な甘さを得られ、摂取カロリーを抑えることができます。料理やティータイムで上手に使用すれば、“美味しい”と満足感を得られながら肥満予防や減量に役立ちます。
◆血糖値の管理
人工甘味料は糖分(ブドウ糖)を含まないため、血糖値やインスリン値を上昇させません。そのため、糖尿病の方や血糖値が気になる方に有用です。
◆虫歯予防
砂糖と異なり、虫歯の原因となる歯垢を作りにくいという特性があります。これにより虫歯予防効果が期待できます。
人工甘味料のデメリット
人工甘味料には以下のようなデメリットがあります。
◆長期的な安全性が不明確
先ほどでもお伝えしましたが、人工甘味料の中には、長期的に摂取することの人体に及ぼす影響について十分に解明されていないものがあります。現在のところ一般的には安全とされていますが、完全にノーリスクとは言い切れないようです。
◆食欲や味覚への影響
人工甘味料の中には、非常に甘いものもあります。甘味の感覚を過剰に刺激することで、甘い味に対する感受性が高まり、自然な甘味の感覚や鈍くなることがあります。長期的に使用することで、自然な食事の楽しみが減少する可能性があります。
◆依存症のリスク
人工甘味料は通常の砂糖よりも強い甘さを持つため、長期的に使用すると、甘味に対する耐性ができ、より甘さを求めるようになる可能性があります。これにより、甘い食品や飲み物への依存が進行し健康的な食生活が困難になることがあります。
まとめ
人工甘味料は、糖分を制限される糖尿病の方や糖質を気にしている方、肥満や減量をしている方にとって便利な選択肢だと思います。しかし、人工甘味料の過剰摂取や長期的に使用には、健康リスクや依存症のリスクがあることも知っておく必要があります。
適切な摂取量を守りながら、可能な限り天然の甘味料(蜂蜜やメープルシロップなど)を取り入れると良いでしょう。
明日も元気に生きられますように。
ご精読、ありがとうございました。

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