こんにちは。内科クリニックで働く看護師のトトです。
近年は5月頃から増え始め、6〜7月にピークを迎えるRSウイルスについてご存知ですか?
特に赤ちゃんや高齢者の方にとっては、重症化することもあるために注意が必要な感染症です。
ということで今回は、年齢問わず何度も感染するRSウイルスについてご紹介します。
RSウイルス

RSウイルス感染症とは?
RSウイルス感染症は、RSウイルスに感染することによって起こる呼吸器の感染症です。
主に乳幼児や高齢者に感染しやすいウイルスです。毎年流行が見られ、特に生後6ヶ月未満の赤ちゃんにとっては重症化のリスクがあります。
RSウイルス感染症の症状とは?
・発熱
・咳
・鼻水
・ゼーゼーヒューヒューといった喘鳴
・呼吸困難
RSウイルスに感染すると、4〜5日の潜伏期間(症状のない期間)を経て、発熱、咳、鼻水などの上気道炎の症状が数日続いた後に、軽快する場合が多いといわれています。
特に注意が必要な方は?
1.生後6ヶ月未満の赤ちゃん
・気道が細く、RSウイルスによる炎症で呼吸困難を起こしやすい
・特に早産児や出生体重が低かった赤ちゃんは重症化リスクが高い
2.基礎疾患のある乳幼児
・先天性心疾患、慢性肺疾患
・神経、筋疾患をもっている場合も呼吸機能が弱く重症化しやすい
3.65歳以上の高齢者
・加齢により免疫力が低下しており、肺炎や気管支炎を起こしやすい
・RSウイルスによる入院率や死亡率が高くなる傾向がある
4.免疫力が低下している方
・抗がん剤、臓器移植後、免疫抑制剤の使用中
診断と治療とは?
◆診断
1.問診と症状の確認
・年齢、現在の症状、周囲に感染者がいるかなどのを確認する
2.迅速抗原検査
・鼻の奥の粘液を綿棒で採取し、RSウイルスの抗原を調べる(主に乳幼児が対象)
・新生児、乳幼児のRSウイルス感染症の診断主に用いられる検査キットでは、成人のRSウイルス感染症の検出が困難とされている
◆治療
RSウイルス感染症に対する確立された治療法はありません。基本的には対症療法(症状を和らげる治療)を行います。
予防方法は?
RSウイルス感染症は、飛沫感染や接触感染により感染します。
基本的な感染対策は、換気や手洗い、手指消毒、マスクの着用です。
まとめ
RSウイルス感染症の治療は、特効薬ではなく症状を緩和するサポートが中心となります。
親御さんや家族、介護する方が呼吸・水分・元気さを観察しながら適切なタイミングで受診することが大切です。
明日も元気に生きられますように。
ご精読ありがとうございました。




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