「糖尿病性腎症」を理解して、未来の腎臓を守りましょう。

健康

こんにちは。内科クリニックで働く看護師のトトです。

「糖尿病」と聞くと、どんな症状が出ると思いますか?
初期症状では、
・喉が渇く・多飲、多尿・倦怠感や疲れやすさ・尿が泡立つ・体重減少
などがあります。
しかし、初期段階では自覚症状がほとんどないため、
知らないうちに糖尿病の合併症が進行してしまう可能性があります。

ということで、今回は!
遠い将来に、「透析療法」をしないために、
「糖尿病3大合併症」の一つ、「糖尿病性腎症」についてお伝えします。

糖尿病の3大合併症とは?

まず、糖尿病の3大合併症からご紹介します。
1,糖尿病性神経障害
高血糖が長期間続くことで抹消神経に障害を起こします。
手足のしびれや痛み、便秘、立ちくらみなど全身に影響がでます。
2,糖尿病性網膜症
高血糖により、眼の網膜の細い血管が詰まり、出血や酸素不足を引き起こします。
視力低下や飛蚊症、失明の原因になる可能性があります。
3,糖尿病性腎症
高血糖により、腎臓の細小血管が障害を受けることにより腎臓の機能が低下することです。
進行すると、腎不全になり透析療法や腎移植が必要になる場合があります。

腎機能は改善しない?

腎臓は一度障害を受けると完全に改善することが難しい臓器です。
糖尿病性腎症は第1期から第5期に分かれており、
早期の段階(第1期・2期)では、適切な治療によって進行を抑えることが可能です。
◆第1期:自覚症状がほとんどありません。
◆第2期:たんぱく尿(尿検査でたんぱく質が陽性)が出始めます。
◆第3期:たんぱく尿(たんぱく質の量)が増加し、腎機能が低下し始めます。
◆第4期:腎機能が顕著に低下します。
◆第5期:透析療法や腎移植が必要になります。

腎臓の役割は?

腎臓には5つの役割があります。
1,老廃物の排出
血液中の不要な物質や毒素を尿として体外に排出します。
2,水分・電解質の調整
体内の水分量やナトリウム、カリウムなどの電解質バランスを維持します。
3,血圧の調整
レニンなどのホルモンを分泌し、水分と塩分のバランスを調整して血圧を一定に保ちます。
4,赤血球の生成促進
エリスロポエチンというホルモンを分泌して、骨髄で赤血球の生成を促します。
5,骨を強くする
活性型ビタミンDを生成し、カルシム吸収を促して骨を丈夫にします。

腎臓には、生命維持をする上で大きな役目があります!

糖尿病腎症になるとどうなるの?

腎臓は“そら豆”に似た形をした左右にひとつずつある臓器です。
大人の握りこぶしほどの大きさになります。
一つの腎臓には、100万個もの糸球体という毛細血管が集まった組織が無数にあり、
血液をろ過して、老廃物を尿として排泄します。

糖尿病腎症になると、この糸球体の機能が低下して、
老廃物だけでなく、体に必要なたんぱく質も排泄されてしまいます。
⇐第2期の症状!

なにもせず放って置くと、糸球体は機能が低下・減少していき、
終いには腎機能が低下して老廃物を排出できない状態になっていきます。
⇐第5期の透析治療へ

腎臓の状態を知る検査とは?

腎臓をの状態を知るには、
◆尿中アルブミン
◆尿たんぱく
◆GFR(糸球体ろ過率)
が代表的な検査で、尿と血液の検査になります。

糖尿病に関する検査は、
◆空腹時血糖値
◆HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
◆食後〇〇時間血糖値
になります。これらは血液検査になります。

手元にある、最新の検査結果を見てみてください。
自分の体の状態を理解していることはとても重要です。

まとめ

病院やクリニックなどの医療機関は、緊張してストレスも受けますよね。
そんな状態で、わからない単語や検査結果の説明を聞いても、
なかなか理解するのは難しいと思います。

もし、心の余裕があるときは、ご自身の“病態”について調べてみてはいかがでしょうか。
指導されたことやアドバイスの内容がスッと受け入れられるかも知れません。

明日も元気に生きられますように。

ご精読、ありがとうございました。

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