こんにちは。内科クリニックで働く看護師のトトです。
「運動しないなと・・・」と思っていても、なかなか続かない方、
ダイエットを始めようと思ってるけど何から始めて良いかわからない方、
そんな方におすすめなのが、「食後の散歩」です。
実は、たった10〜15分の軽い散歩でも体に嬉しい効果をもたらしてくれます。
ということで今回は、「食後に歩くことの健康効果」についてご紹介します。

ちょこっと散歩の効果
血糖値の急上昇を防ぐ
食事をすると、特に炭水化物(ご飯・パン・麺など)に含まれる糖質が小腸で分解され、ブドウ糖(グルコース)として血液中に吸収されます。
食後すぐは、ブドウ糖がグリコーゲンという形で肝臓や筋肉に蓄えられます(貯蔵)。
しかし、貯蔵がいっぱいになると、中性脂肪に変換されて脂肪細胞に蓄えられます。
そのため、食後に散歩することで筋肉がブドウ糖をエネルギーとして使うことで血液中のブドウ糖が減り、血糖値が急上昇しにくくなります。
糖尿病などでインスリン(すい臓からでるホルモンで血糖値を下げる)の効きが悪い人でも、筋肉を動かすことで自然に血糖値を下げることができます。
脂肪の蓄積を防ぐ
食後の血糖値の上昇が穏やかになれば、脂肪がつくのを防ぐことができます。
食後に散歩すると、筋肉がブドウ糖を使い始めます。
すると・・・
・血糖値の上昇が緩やかになる
・インスリンの分泌量が抑えられる
・結果として、「余った糖→脂肪に変換される」量が減る
この流れが、脂肪の蓄積を防ぐポイントです。
消化のサポート
食後に軽く体を動かすと、以下のような生理的な反応が起こります。
◆腸の動き(蠕動運動)を促進する
食後は胃から腸へと食べ物が送られ、腸が「蠕動運動(ぜんどううんどう)」を起こして内容物を先へと運びます。このとき歩く散歩することで、腹部への適度な刺激や血流増加が起こり、腸の動きが活発になります。
特に、
・ガスが溜まりやすい人(お腹のハリ)
・便秘がちの人
・食後に胃もたれしやすい人
こうした方は、消化不良の解消や排便促進が期待できます。
ただし、
食後すぐの激しい運動や前かがみの姿勢(腹筋や屈伸)をすると逆効果になることもあります。
ストレス軽減・睡眠の質の向上
歩くだけで、なぜ気分が落ち着いたり、よく眠れたりするのでしょうか。
1.自律神経のバランスが整う
体は「交感神経(緊張・活動)」と「副交感神経(リラックス・回復)」のバランスでコントロールされています。ストレスが多いと交感神経が優位になりますが、散歩などの軽い運動は副交感神経を優位にしやすいとされています。
2.幸せホルモン「セロトニン」が活性化する
散歩は「セロトニン(安定と幸福を感じる脳内ホルモン)」の分泌を促します。起きている間にしっかり分泌されると、夜に睡眠ホルモン「メラトニン」へと変化します。結果として、自然な眠気が訪れて入眠がスムーズになります。
3.呼吸が深まる
散歩は自然に腹式呼吸になりやすく、これも副交感神経を優位にする要因になります。
歩くことによって、日中のストレスをリセットし、心の安定と快眠準備がでます。
歩くタイミング・時間帯
歩き始めるタイミングは食後15〜30分後がベストです。このタイミングは血糖値の上昇を抑えるのに効果的で、消化もスムーズになります。
ただ、食べて直ぐは消化に血液が集中しているため、激しい運動は避けましょう。
歩く時間の目安は10〜20分くらいです。軽い散歩でも十分効果があります。
毎食後は大変な方は、夕食後だけでも大丈夫です。
歩くことに慣れたら20分程度を目安にして、代謝アップ効果を目指しましょう。
時間のそれぞれのメリット
朝:体内リズムが整い、頭もスッキリします。1日の代謝をあげます。
昼:昼食後の眠気防止になります。集中力アップにも。
夕:血糖・脂質のコントロールに効果大です。睡眠の質も改善します。
まとめ
「時間がない」「運動が苦手」という方でも、食後に歩くだけならハードルは低く、続けやすいのではないでしょうか。
だらだら食事をしてしまう方は、食事にかける時間を決めて、「食事する時間」に「散歩する」までを一括りにする意識をもってみましょう。毎日にの習慣にすれば、血糖値・脂肪・腸・ココロまでも、体に嬉しい変化が現れるはずです。
次の食後から、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
明日も元気に生きられますように。
ご精読ありがとうございました。




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